工大高ではオープンスクールの2日目が行われた7月7日に、希望者で「 広島工業大学 生命学部 食品生命科学科 」の 実習体験 に行ってきました。
日曜日にも関わらず、1~3年生の25名(エンカレ男子2名を含む男子19名・女子6名)が参加。
エンカレの生徒とは大学で合流しましたが、全日制の生徒は学園バスで高校を出発。快適に往復しました。
さて、今回の実習体験は、「食品製造分野体験」と「応用生物分野体験」という2つのテーマで行われました。
まずは、「食品製造分野体験(ジャムづくり)」から。
この実習は、グループごとに条件を変えたジャムを試作します。それらのジャムを試食。試作を通じてジャムのゲル化メカニズムやジャムの素性の違いを理解しますが、果たしてうまくいったのでしょうか。美味しいジャムは作ることができたのでしょうか。
まずは講義から。私はもう一つの実習体験(DNA分析)に主にいましたので、この講義の内容は聞いていません。
どんな話しだったのでしょうか。
次からの写真をご覧いただくと、この講義も大事な内容だったことがわかります。
ジャムは冷凍されたものを使用。分量も大切。
糖度計も使用させていただきました。初めて現物を見た、初めて使った、初めて値を見た、初めて・・・。
いろいろなこと、すべてが初めてだらけでした。
大学の先生から質問されたり、説明を受けたり。すべてが新鮮。左の生徒は何やら計算中。
するとどこのテーブルも計算を。電卓なんて使いません。簡単な計算ではなかったように見えましたが、どんどんと計算していきます。何の値を出していたのでしょうか。参加した人に聞いてみてくださいね。
ジャムを作るにはまず鍋にイチゴを入れて煮詰めます。焦がさないように気をつけて行います。そして、甘さは十分でないので砂糖を加えます。美味しくて甘~いジャムは砂糖の量が・・・。実際に作った人ならわかりますが、本当にすごいのですよ。
全部の班が作り終えたら試食です。食パンにつけていただきました。
私も試食させていただきましたが、どのグループも美味しかったです。途中、見ることができなかった箇所が多かったのですが、皆さんの頑張りがわかりました。
そして、一番美味しいと感じた班のレシピで再度全員が試作。
続いては、「応用生物分野体験(DNA分析)」です。
この実習は、ブロッコリー、バナナ、ピーマン、えのき茸などからDNAを抽出し、電気泳動による観察を行います。はたして本当にDNAは取り出せたのでしょうか。DNAが取り出しやすい食材は何だったのでしょうか。
DNAについて説明を受けた後、早速実習に入りました。
まずは食材の細胞をバラバラにします。次にその細胞を壊しますが、ここで使うのが界面活性剤。
界面活性剤と聞くと、「それ何?」って言う人も多いですが、食器を洗ったりする液体洗剤です。こんなときにも使うなんてと驚きました。
DNAとタンパク質を分けます。
DNAのみを抽出しますが、DNAに結合しているタンパク質は、Naイオンを加えることで除去することができます。
細かな作業が続いていきますが、テキパキと早い生徒はどんどんと作業が進んでいきました。
実習の教室にはたくさんの実験機材が。それらも説明を受けたり、使わせていただいたり。
マイクロピペットを使用しています。先ほどの界面活性剤は、なんと、1mL しか使いません。
抽出が終わったDNAにエタノールをゆっくりと注いでいきます。
すると・・・。
次第に白い糸が見えてきました。それがDNA。私は初めて見ましたが感動です!
なぜかハリーポッターの映画の1シーンを思い出しました。
DNAを回収したら蒸留水を加えます。指でたたいて(タッピング)できるだけ溶かします。
次の写真は電気泳動層にDNAが解けているゲルを沈めていきます。沈めるDNA溶解液はなんと12μL。想像つかない量だと思います。慎重な作業が続きます。
次に行う人はその様子を見ておきます。本当に層の下に小さな穴が開いているだけなので大変です。
最後は、今回の振り返りです。
大学の先生方が多く関わってくださり、今回の実習体験ができました。そして、終わった後は充実感溢れる生徒の顔を見ることができました。この体験が将来に役立つと本当に嬉しいです。
また大学に行かせていただき、どこかの学科の体験を計画していきたいと思いますので、今回参加できなかった人も、次回は是非とも参加してみてくださいね。
最後になりましたが、今回の実習体験に関わっていただいた大学の先生方をはじめ、多くの関係者の皆さまに感謝申し上げます。ありがとうございました。
(田中)