6月16日(金)5・6時間目。3年生は健康教育講演会を行いました。
テーマは『性の多様性の理解に向けて』
広島修道大学人文学部教授の河口和也先生からお話をお伺いしました。
河口先生はゲイの当事者として、ご自身の幼少期からのライフヒストリーを話されました。
最後にこのようなメッセージを生徒達にいただきました。
「性の多様性とは、生き方の多様性の問題です」
「人々が多様な生き方が見えるようになるためには、まずは知ること、学ぶこと、そして学びなおすことが必要になります。」
【3年生の感想をご紹介します】
●ジェンダーやセクシャリティーについて世界的に理解されているが、日本は性別に対する偏見や考え方が偏っていると思った。「自分は普通だ」と思って生きている人が多く、自分と違うから気持ち悪い、怖いといった考え方が生まれ差別が起こっていると考えた。「普通」という認識のしかたは間違ってはいないけれど、「普通」のあり方を改めるべきだと考えた。少し違うだけで傷つけたり、傷つけられたりすることはあってはいけないから、正確な知識や柔軟な考え方を持って人と接したい。
●自分的には性的指向に名前を付けて分けていることで一種の壁を作ってしまっているのでは?と感じた。近年、男女トイレや温泉、スポーツ界では問題が発生していて、女性陸上競技に身体的構造で女性より優れているトランスジェンダーが参加したりと、多様性と身体的区別を混ぜてしまっていると感じる。改めて多様性について考え直した方がいいと思った。
●偏見や固定観念は時に人を傷つけてしまうし、「こういうもの」と決めつけてしまうのは生きづらい人ができてしまう。これから変わっていかないといけない考え方だと思いました。
●幼いころから性について悩み誰にも相談できないのは、とても辛いことだと思いました。性について理解はできるけど、性を平等にするということはとても難しい事だとも感じます。何かを変えようとすると、別の何か問題が起きてしまうので、どうすればみんなが傷つかず生きていけるのか考える必要があると思いました。
●偏見や差別が個人の自己表現や人権に影響を及ぼすことに気づいた。性の多様性を受け入れる社会の構築が重要で、教育や啓発がそのために必要であることを認識しました。自己啓発を通して自分自身の性について理解を深め、他者の性の多様性にも寛容な態度を持つことを目指す必要があることを感じた。
この度、国会にて「性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律」が成立し、令和5年6月23日に公布されました。
生徒たちが安心して学校生活を送るために、そして『生き方の選択』に寄り添っていけるように、これからも学びを重ねていきたいです。
(保健室)