朝読書タイム 3学年の学級図書を紹介します(その3)

学級図書紹介も最後の回になりました

シリーズ第弾の今日は、3学年8~11組の本棚から2冊ずつ選んでご紹介します

8組

自立📚 家を出る日のために(辰巳渚著/理論社)  今はピンとこないかと思いますが、いつかは親の家を出てひとりで生きていくことになります。一番近いところでは、進学や就職でしょうか。本書では、物質的に豊かな生活の中で「自分の暮らしを生きること」「一人前とはどんなことか」などが語られています。後半の「家出テスト」のなかに、家事力をはかる項目があります。自立に向けて普段から意識することは勉学と同様に大切。一人前と大人になることの違いを考えるきっかけになるとよいです

小説📚 犬から聞いた素敵な話 涙あふれる14の物語(山口花著/東方出版)  人の言葉を話さないからこそ、目の前のペットには正直な気持ちを話せる。まるで心が通じあったかのように、寄り添い聞いてくれる。そんな経験を持つ人は多いことでしょう。愛犬と飼い主のあいだで固く結ばれた絆が描かれた本書は、実話ではなく、著者が取材を通してイメージした創作物語。上手くいかないで気持ちが沈んでいるとき、対人関係で落ち込んだしまった…そんなときに開いてみてください。一話完結の短編集です

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9組

人生訓📚 いいことがいっぱい起こる すぐ動く人になる8つのコツ(植西聡著/実業之日本社)  期限が迫っているのにやる気が出ない…○○すべきなのにやらなくてよい言い訳を考えている…誰しも心当たりがあることですね。本書副題は『グズグズな毎日から脱出して前に進んでいく方法』。見開き1ページにひとつずつ、すぐに実行できる名言が紹介。「完璧よりスピードを優先する」の章では、「考えすぎると、せっかくのチャンスを失う」⇒いくら考えてもきりがないから、自分なりのタイムリミットを設けておくとよい、のアドバイスが◎!

自己啓発・小説📚 スタートライン 一歩踏み出せば奇跡は起こる(喜多川泰著/ディスカバー・トゥエンティワン)  あなたは奇跡を信じますか?自分に奇跡が起こせると信じて、高校生活最後の1年間、覚悟を持って挑み続けられますか…「学校を卒業してからが本当の勉強だから、今のうちにできるだけ勉強を楽しめる人になれ」「人間は自分が興味を持っている情報を引き寄せて集めてくるの」「なんの理由もないのに、これはできないって壁を持っている」登場人物のセリフが胸に響きます。恋愛要素もあるので、ストーリーに感情移入しやすいかも。読み進めるごとに読み手にも希望が生まれる物語です

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10組

小説📚 長いお別れ(中島京子著/文芸春秋)   10年かけてゆっくりと忘れていく…認知症のことをアメリカでは、Long Goodbye(長いお別れ)と表現するといいます。この物語は、認知症の老父と独立した娘たち家族の日常を描いています。作中には介護の現場で使われる言葉がいくつか出てきます。QOL(Quality of Life/クオリティ・オブ・ライフ)とは生活の質のことで、人間らしく満足した生活を送れているかを表す指標。ADL(Activities of Daily Living /アクティビティ-ズ・オブ・デイリー・リビング)とは日常生活動作のことで、生活自立度の目安になる指標。 医療・福祉系統に進路を考えている人は、参考書以外にもこうした小説から感じることもあるのではないかと思います

コミュニケーション📚 わかりあえないことから(平田オリザ著/講談社現代新書)  コミュニケーション能力が高いという意味を、トークがうまい人のことだと、思い込んではいませんか?そもそもコミュニケーションとは何でしょうか。企業社会が求めるのは、異文化理解能力(グローバル・コミュニケーション・スキル)が高い人材であり、異なる価値観の人にも自分の主張を伝えられる人。しかし同時に社会は、空気を読み行動する人のこともコミュニケーション能力が高いとし、同調圧力型を期待するといった矛盾を抱えています。「他者とわかりあえない」ところから出発するコミュニケーションを考える機会になるとよいです

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11組

小説📚 オリエント急行殺人事件(アガサ・クリスティ著 茅野美ど里訳/偕成社文庫)  みなさんご存じ、ミステリー作家アガサ・クリスティの長編推理小説。数日がかりでヨーロッパを走り抜ける豪華寝台列車、オリエント急行の中で起きた殺人事件。名探偵ポアロが導き出した犯人像と事件の真相とは…。この作品が発表されたのは1934年、いつの時代も旅・観光は人気のレジャーですね。さて近年、観光の力で未来を切り拓く「観光学」を学べる学部学科が増えました。「ビジネス・地域社会・文化」三つの領域から学問にアプローチ。英語が得意で、地理や歴史に興味がある人は調べてみるとよいでしょう(ALC図書館の進路コーナーに本あり)

人生訓📚 やる気のコツ アドラーが教える9つの勇気(植西聡著/自由国民社)  精神科医・心理学者のアルフレッド・アドラーが提唱した個人心理学。本書では、やる気を高めるために参考となる考え方が紹介されています。大切なのは「目的を見失わないこと」。なぜを問うより、どうすればできるかを考えるようにすればよいとあります。また本の中には、先人たちの言葉が多く出てきます。気になった偉人にアンテナを張り、つながる読書術をすることをお勧めします

1学年から3学年まで、全29クラスに準備した学級図書を7回にわたってご紹介しました 📚

紹介した本は、合計58冊 📚 

読みたくなった本が、1冊でも見つかればうれしいです

学級図書は学期ごとにチェンジします

こんな本を学級においてほしいなど、リクエストを寄せてくださいね

ALC図書館では、話題の科学の本を集めたテーマ展示『科学道100』もしています

現在は「数学」「化学元素」「女性科学者」をピックアップして紹介中です

科学に興味のある人は、このコーナーをチェックしてくださいね 📖

(湯田)